#太陽光発電 等、発電コスト最低の電源に… #中国 が再生エネ大国へ、時代遅れの日本 https://this.kiji.is/331102362515047521?c=297673819271464033 https://t.co/kfdlybheFo
太陽光発電等、発電コスト最低の電源に…中国が再生エネ大国へ、時代遅れの日本 再生可能エネルギー、とくに太陽光発電に関しては「発電コストが高い」「出力が不安定」など否定的な意見も含めて、国内にはさまざまな議論がある。では、海外では太陽光についてどう見られているのか、どのくらい導入が進んでいるのか。昨年11月18日に行われた「ソーシャルイノベーションフォーラム2017」(日本財団主催)で、ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの黒崎美穂氏が海外事情について講演した。 同社はエネルギーの将来像を調査・研究しているシンクタンクで、2040年までに再生可能エネルギーがどのくらい伸びるのかについて、長期エネルギー見通しを発表している。世界全体で発電部門には総額10.2兆ドル(約1132兆円)の投資があり、このうち72%(約815兆円)が太陽光(メガソーラー)と風力に向かうと予測する。欧米では、発電コストが安い石炭火力を駆逐し、中国やインドも再生エネの普及に熱心だという。その理由は、太陽光も風力もすさまじい勢いで発電コストが下がっているからだ。 「日本ではまだ馴染みがない洋上風力発電の開発もヨーロッパでは盛んです。アメリカはシェール革命もあって、現在はガスが一番安い。しかし、25年より前に太陽光と風力が安くなります。中国とインドも現在は石炭が一番安いのですが、20年には太陽光と風力のほうが安くなるといわれています。日本では25年頃、石炭よりも安くなるでしょう」(黒崎氏) 日本では、再生エネは高コストというイメージが強いが、そんな話はとうに過去のものとなっているのだ。なお、黒崎氏の話は新規建設の前提で比較した場合のコストだが、現在の発電システム(火力など)を止めてまで再生エネに交換する経済性があるのかどうか。黒崎氏はこう言う。 「ドイツでは炭素税を導入しているので、化石燃料の価格が上昇しています。中国では30年くらいに転換点が訪れるだろうと予測されます。つまり、稼働中の火力を止めて再生エネにリプレイス(置き換え)しても採算が取れる。アメリカでもそうなる可能性があります。しかし、日本では新設(太陽光)vs.既設(石炭)だと後者のほうが依然として安い状態が続きますが、それは政府のエネルギー政策が何も変わらないという前提です」 さらに、25年には電力会社に電気料金を支払うよりも、太陽光パネルを屋根に設置したほうが電気代は安くなる国がたくさん出てくるそうで、日本もそのひとつだという。この場合、太陽光は不安定なので家庭用蓄電池もセットで考えなければならないが、蓄電池の価格もやはり年々下落しているので、心配はなさそうだ。なお、日本は19年に固定価格買取制度が終了するという条件での予測だが、黒崎氏はこう話す。 「現在、太陽光発電は電気料金に上乗せされた補助金(再生エネ賦課金)でまかなわれていますが、自立させるにはそうした補助金制度を撤廃していくことが重要です。心配する人も多いのですが、太陽光システム関連会社はコスト削減に企業努力するでしょう。中国製のパネルが安くなっているにもかかわらず、今は土地代や人件費、企業の儲けなどが上乗せされて高くなっています」 太陽光発電に関わる企業は今後もさらに淘汰されていくものと予測されるが、それはIT業界がそうだったように、新しい業界の常である。黒崎氏が言うように、自立させて業界全体を強くするしかないのではないか。 ベース電源としても期待される海洋温度差発電 再生エネは太陽光や風力だけではない。まだ一般的には馴染みがないものの、大きなポテンシャルを秘めた開発中の技術もある。そのひとつが海洋温度差発電(OTEC)だ。OTECは、海洋の表層水と深さ600~1000mの海洋深層水との温度差(約20℃)の熱エネルギーを利用して発電するシステム。赤道付近のように海水温度の高い地域が向いており、24時間発電できるので、ベース電源としての役割も期待されている。 13年6月、沖縄県久米島で世界に先駆けて100kW級のOTECが設置され発電を開始し、沖縄電力に系統連系された。これは沖縄県の事業だが、日本でOTECを研究・開発している佐賀大学海洋エネルギー研究センターの池上康之教授がこの事業に協力している。 久米島というと、昔からさとうきびが有名で約10億円のメイン産業だったが、現在は海洋深層水が25億円産業に育ち、島経済の大黒柱となった。海洋深層水には植物の生長に必要な窒素やリン、ケイ酸といった栄養分が多く含まれているため、農業や漁業に活かされているのだ。そして、この海洋深層水が今は発電にも活かされている。 「ハワイでは45年に全島、再生エネ100%を目指しています。沖縄も30年に100%を目指していますが、そのひとつとしてOTECがあります。最大の課題はコストで、太陽光のように5kW、10kWという小さな規模では成り立たない。少なくとも1000kWの設備が必要。それで離島のディーゼル発電並み。久米島モデルは、深層水事業と一緒にやることで発電コストが下がります。取水管をシェアすることで、両事業にメリットがあります。今の25億円産業を80億円まで伸ばしたい」(池上教授) イノベーションは「技術」×「ビジネス」で生まれる。新しい技術へのチャレンジや革新性によって、その地域が経済的に発展していくことがソーシャルイノベーションだ。海洋深層水で雇用が生まれている久米島もそのひとつの事例である。 16年4月の電力自由化以降、電力の地産地消を掲げた地域密着型の電力会社が全国に誕生しているが、ソーシャルイノベーションの視点から今後も見守っていく必要があるのではないか。 (文=横山渉/ジャーナリスト)